水稲の作業受託を基本に水田営農を展開するのは、奈良市大柳生町の大柳生営農組合(組合員63戸、田畠俊秀組合長=64歳)だ。女性組合員が中心となり毎週日曜日に開く朝市は、地域住民との交流や高齢組合員が収入を得る機会となっている。戸別所得補償モデル対策の実施を機に、今年は稲WCS(発酵粗飼料)栽培も手がけ、中山間地域での営農継続へ力を合わせる。田畠組合長は「相互扶助の考えから設立した。この集落で安心して農業を続けていけるようにしたい」と話す。
大柳生町は近鉄奈良駅から30分ほどの中山間地にあり、清流にホタルが飛び交う山に囲まれた地域だ。水田面積は約50ヘクタールで、1枚当たりでは平均20アールほど。
営農組合の活動は水稲作業の受託が中心となる。昨年の作業実績はトラクターでの耕うん作業が5ヘクタール、田植え作業が7.4ヘクタール、収穫作業が11ヘクタール、乾燥調製作業が12ヘクタールだ。組合員4人がオペレーターを務める。
女性部による「ホタルの里大柳生直売所」は毎週日曜日、JAの倉庫を借りて開いている。今年で6年目。商品棚はビールケースを並べて板を置いた簡易なものだ。組合員が栽培した野菜を主体に、漬物やこんにゃくなどが並ぶ。
田畠組合長は「野菜作りは組合員の張り合いになっている。直売所で言葉を交わす機会が増え、野菜談議をしたり地域のことを話したりと、地域が元気になってきた。売り上げ以外の目に見えない効果を実感している」と話す。
周辺地域の住民だけでなく、レストランや仕出し業者なども仕入れに訪れるという。店番は女性部が交代制で担当するが、毎回ほとんど全員が集まる。組合員は10%、組合員以外は15%を手数料として集めている。店番の手当にするほか、親睦(しんぼく)会の開催費用にも充当する。
ネギやナス、トマト、スイカなどの露地野菜を売る今中正子さん(70)は「朝市を始めるまでは家で使う分だけ作っていました。今は何を作ろうかと考えることも楽しみ。やってよかった」と笑顔を見せる。
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〈写真:「地域にお世話になってきた分、地域への恩返しのつもりで力を合わせて頑張りたい」と田畠組合長〉
〈写真:永井さんは「少々体が重い時でも直売所があるから畑に出ようという気になる」という〉