農作業事故に注意してほしい。春の農繁期は、農作業事故が多発する時期だ。農林水産省は1日から5月末まで、農業機械の転落・転倒事故防止などを重点とした春の農作業安全確認運動を展開する。農業機械士協議会が中心になり、農作業安全を呼びかけるチラシの配布や安全講習会を開く、茨城県那珂市の取り組みをルポで紹介。農作業死亡事故の現状や農作業事故を防ぐ対策のポイントなどを特集する。
▼事故ゼロへ地域一丸 〈茨城県 那珂市農業機械士協議会〉
農業機械を使うときの安全意識を高めようと、茨城県の那珂市農業機械士協議会(35人)は、講習会や危険箇所の看板設置などの活動を30年近く続けている。
近年、農作業中のけがは70代が中心で、その多くが農地の借り手や農作業受託を行う"鍬頭(くわがしら)"だという。会長の和田勝一さん(67)=水稲20ヘクタール、麦15ヘクタールなど=は「けがをすれば自分の経営だけでなく、地域への影響も大きい」と説明する。
農作業安全に向け、毎年、農業機械や農作業安全の講習会を開く。講習会では、運転技術の実習と農作業安全の講義、農業機械の構造、作業前後の点検方法を教わる。本年度は講習会も兼ねたトラクター競技会を開いた。
講師は、農業大学校や農業改良普及センターなどに依頼する。加えて農業機械メーカーやJAの施設を訪ねることもある。「もっと行政で専門の人が増えてくれるとありがたい」と和田さんは話す。
講習は毎回20~30人が参加。会員以外の農家も受講可能だ。一人でも多く参加してもらおうと、チラシの戸別配布や電話で、会員が担当地区の農家に案内する。
副会長の秋山東明さん(79)=水稲約1ヘクタール、ソバ約5ヘクタール=は、圃場で農家仲間と話すときや茶飲みの場で話題に出すという。「集落の事故防止が目的ですが、自分のためになります。発信する側が『けがや事故を起こすわけにはいかない』と緊張感を保てますから」と話す。
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〈写真上:和田さんは「トラクターの作業機は正しい手順で装着するなど。基本を守ることが事故を防ぐ」と話す〉
〈写真下:坂の登り口に注意喚起の看板立てている〉