今年は7月以降、北日本を中心とした低温寡照の傾向が強く、「中国・九州北部豪雨」や台風9号の接近に伴う大雨が発生し、各地で農業被害、作物の生育への影響が広がっている。また11日には、駿河湾を震源とする地震が発生した。気象庁は18日、異常天候早期警戒情報を発表。山口県と九州各県を除く各地区で、23日からの1週間、平年に比べ1・2~2・4度低い低温が発生する確率が高く、農作物の管理への注意を呼び掛けていて、引き続き警戒が必要だ。
6月中旬から7月下旬にかけて低温寡照が続いた北海道を13~14日に訪れた。上川中央NOSAI(上川中央農業共済組合)管内では、出穂が数日遅れた水田を前に、農家は8月上旬以降の好天で生育回復を期待する一方、7月に遭遇した低温の影響に不安を募らせる。畑作地帯の十勝NOSAI(十勝農業共済組合)管内では、収穫を終えた秋播き小麦に減収が見込まれるほか、作付けの多い豆類の生育遅延も心配される。NOSAI団体では、出来秋に向けて畑作物の作柄を把握し、損害評価体制を整えるとともに、被害申告漏れがないよう農家への注意喚起に努めている。
「7月中は危ないと心配したが、8月に入って天候が好転。水稲の姿が変わった」と旭川市永山町の加藤庸明さん(71)=水稲8・5ヘクタールなど。上川中央NOSAIの損害評価会長を務める加藤さんは、穂が垂れ始めた水稲を観察し、「この天候が続けば、平年に近い収穫ができそうだ」と期待を話す。
旭川市に隣接する東神楽町忠栄の蒔田栄さん(55)=水稲12・5ヘクタールなど、同NOSAI監事=は稲穂を手に厳しい顔を見せる。「深水管理は徹底していたが、不稔はどの程度広がっているだろう」
上川中央NOSAI管内では7月10日ごろと20日ごろ、最低気温が約10度になる低温が2~3日ずつあった。幼穂形成~出穂・開花期は低温危険期で最低気温が13~14度を下回ると障害を受けやすい。
上川中央NOSAIの行天英雄参事は「地域や品種、育苗方法による生育の早晩により、隣接した圃場でも作柄が全く違う状況が予想される。被災農家に申告漏れがないよう呼びかけるとともに、円滑な損害評価ができるよう万全の損害評価体制を整えたい」と話す。
畑作地帯が広がる十勝NOSAI管内でも6~7月の天候不順が農業経営に影を落とす。収穫を終えた秋播き小麦について、収入面では平年の半作程度だろうと見込む農家がいるという。輪作の基幹作物で、今後秋に収穫を迎える畑作物にはインゲン、大豆、小豆、テンサイ、ジャガイモ--などがある。
<写真上:幼穂形成期に低温に遭った稲穂を見つめる蒔田さん。「不稔の影響が心配だ」という(東神楽町、13日)>
<写真下:「例年なら、小豆の草丈は腰の高さになり、畝間にも枝葉が伸びているはずなんだ」と牧田さん(本別町、14日)>
(1面)